連鎖販売取引 ~ 中途解約 ~
連鎖販売取引とは、一般的にマルチ商法と呼ばれる取引のことをいいますので、以下「マルチ商法」といいます。
マルチ商法は、取引に慣れていない個人が、その複雑な契約内容・システムを充分に理解しないまま、「必ず利益がでる」「必ず儲かる」というメリットばかりを強調した勧誘によって、契約を締結してしまうことが多く、後にトラブルとなるケースが多くあります。
クーリングオフ期間中にクーリングオフをすれば問題はないのですが、クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合に問題となります。
しかし、特定商取引法では、マルチ商法について、クーリングオフ期間経過後であっても、将来に向かって契約を解除することができると定められています。
この定めを中途解約制度といい、さらに中途解約に伴い業者が請求してくる違約金等の金額の上限も制限されています。
したがって、業者との契約で、「途中で契約を解除することはできない」「途中で契約を解除するのなら、高い金額の違約金を支払ってください」等の定めがあったとしても、消費者は、法律で定められた上限の金員を支払えば、一方的にマルチ契約を解除することができるのです。
中途解約について詳細を以下に記載しました。
業者が中途解約に応じない場合、不当な違約金を請求されている場合やこれから中途解約をするという場合には、是非一度ご相談ください。
特定商取引法で定められている中途解約の要件
連鎖販売加入者であること
商品の販売等を店舗等によらないで行う個人であること
※ 店舗を有する個人事業主の方は対象外となります。
法律で定められている損害賠償等の制限
中途解約に伴って、業者が、消費者に対して請求することのできる金額(違約金等)の上限が制限されています。
つまり、業者との契約書に、損害賠償金の予定または違約金の定めがあるときにおいても、業者は、法律で定められている金額を超える金額を請求することができないのです。
金額の算出方法を以下のとおりです。
■商品販売のマルチ商法の場合連鎖販売契約 |
マルチ業者が請求できる上限 |
|||
契約の締結及び 履行のために通常要する 費用の額 |
引き渡された商品の販売価格 (連鎖販売契約の一部としての販売に限り、第2項の場合を除く。) |
既に受領した特定利益そのたの金品(第2項により解除された商品販売契約に係るものに限る。) | 遅 延 損 害 金 |
|
■役務提供(何らかのサービスを提供する)のマルチ商法の場合
連鎖販売契約 |
マルチ業者が請求できる上限 |
||
契約の締結及び履行のために 通常要する費用の額 |
提供済み役務の対価 |
遅延 損害金 |
|
※ 但し、割賦販売法2条1項に定める割賦販売(自社割賦販売)にあたるもについては、上記の損害賠償等の制限は適用されず、割賦販売法6条が適用されます。
商品販売契約の中途解約
マルチ商法の契約と合わせて購入した商品の商品販売契約についても、同時に中途解約をすることができます。
商品販売のマルチ商法の場合、最初に大量の在庫商品を購入させられるケースがあり、この商品についても中途解約をすることができるというものです。
特定商取引法が定める中途解約の要件(商品販売契約)
連鎖販売契約が中途解約されていること
連鎖販売の加入者であり、商品の販売等を店舗等によらないで行う個人であること
契約を締結した日から1年を経過していないこと
※ 取引条件の変更に係る連鎖販売契約は対象外となります。
商品の引渡し日から90日を経過していないこと
※ 90日とは、商品の引渡しを日を含みます(初日算入計算)。
商品を再販売していないこと
商品を使用し又はその全部もしくは一部を消費していないこと
※ マルチ業者が商品を使用させたり、消費させた場合は除きます。
自身の責めに帰すべき事由により、商品を滅失、又は毀損していないこと
法律で定められている商品販売契約についての損害賠償等の制限
商品販売契約についても、中途解約に伴って、業者が、消費者に対して請求することのできる金額(違約金等)の上限が制限されています。
商品販売契約の中途解約の場合、
まず、① 商品引渡し前の契約解除、と
② 商品の引渡し後の契約解除、とで、
業者が請求することのできる金額が異なります。
さらに、② 商品の引渡し後の契約解除は、
a.商品を返還した場合
b.商品を返還していない場合とで、
業者が請求することのできる金額が異なります。
金額の算出方法を以下のとおりです。
| 商品が返還された場合 | 当該商品販売価格の10分の1に相当する額 |
| 商品販売契約の解除が商品の引渡し前である場合 | 当該商品販売価格の10分の1に相当する額 |
| 商品が返還されない場合 | 当該商品の販売価格に相当する額 |
※ 但し、関連商品の販売が、割賦販売法2条1項に定める割賦販売(自社割賦販売)によりなされ た場合は、上記の損害賠償等の制限は適用されず、割賦販売法6条が適用されます。
連鎖販売取引の実例
これまで当事務所で対応したマルチ商法の中途解約では、一連のシステムを総括する会社が倒産してしまい、商品だけが残ってしまったという相談が多くあります。
このようなことにもならないためにも、クーリングオフ期間内であれば、速やかにクーリングオフを行使し、期間を過ぎている場合には、速やかに中途解約をすることを推奨します。
連鎖販売取引(マルチ商法)は、そのシステムが複雑になっており、中途解約をする際にも計算が複雑になっていますので、自身で安易に判断をせず、まずは専門家へご相談ください。

安田行政書士事務所では、これまで数多くのクーリングオフ・中途解約を手掛けてきた専門の行政書士が、クーリングオフ手続や中途解約手続を代行致します。
クーリングオフに精通した専門家が関与すると、悪質な販売業者にも対抗することができ、さらに当事務所へご依頼を頂いた場合、原則として、それ以降販売業者と連絡をとる必要がなくなります。
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